血管は隠れたハードワーカー
私たちの身体の中で、血液量は体重の約8%を占めていると言われています。
しかもこの血液は、一つところにかたまって存在しているわけではなく、
身体の隅々まで行き渡るように流れている…。
この営みを支えているのが、我らが血管です。
私たちの身体のいたるところに大なり小なり血管が張り巡らされており、
この管を正常に血が流れているからこそ私たちは生きていられるというわけ。
それは、起きている間も寝ている間も変わりません。
そう考えると、血管ってスゴイですよね。
死ぬまで休みなく働き続けるなんて、かなりのハードワーカーです(笑)。
それも、身体中に血を届けるためにはそれなりの圧力が必要。
心臓から出発する時にかなりの高圧で血が押し出されていますので、
血管にかかる負担も相当なものです。
それでも、伸びたり破けたりすることは許されない…。
モノづくりの世界に当てはめてみると、
非常にレベルの高い品質管理を求められる世界ですね。
なぜ血管は老いるの?
高圧の血液が流れても、破損は許されない。
私たちの体内を走っている血管には、
かなり高いクオリティーが求められています。
しかし、どんなに精巧に作られ、どんなにマメにメンテナンスしていても、
経年変化(老化)による劣化は避けられません。
なにしろ、機械とは違って今の医学では
「古くなったから交換する」ということができないわけですから。
(iPS細胞の研究が進めば、そんなことも可能になるかもしれませんね)
当然、長く使い古された血管は年齢と共に老化してしまうでしょう。
具体的には、徐々に血管が硬くなり、柔軟性が失われていきます。
そのため、血圧が上がったり、血管が破れやすくなったりして、
高血圧や心疾患、脳血管疾患を発症するリスクが高くなってしまいます。
このこと自体は、人が歳を取る限り、
どうしても避けられない変化と言えるでしょう。
血管のアンチエイジング
人が老いるということは、
見た目だけではなく身体の内部も老化するということ。
当然、長年ハードワークを続けてきた血管も老化します。
その自然の流れには、誰も逆らうことはできないでしょう。
しかし、日頃の心がけ次第で、血管の老化を遅らせることはできます。
血管の老いは、動脈硬化から進行していきますので、
動脈の柔軟性を保つ努力をすれば良いのです。
例えば、動脈をまめにマッサージしてやわらかくするとか、
食事に配慮してコレステロールが溜まらない食材を選ぶとか、
適度な運動をして余分な脂肪分を燃やすように心がけるとか…。
歳を取ってから肉を多くたべると長生きにつながるという説や、
コレステロールがやや高めの人のほうが長生きできるという説もありますが、
それでもやはりバランスは大事です。
巷にはあらゆる健康情報があふれていますが、全てをうのみにしないこと!
それぞれの健康法は、その人の体質によっても効果が違ってきます。
Aさんにとっては絶大な効果がある健康法も、
Bさんにとってはかえって寿命を縮める結果に終わる可能性も否定できません。
なんだかんだ言っても、野菜を不足することなく摂取し、
肉や脂モノを食べ過ぎないという生活が基本です。
最後に、身体の外側も内側も、
アンチエイジングには本人のやる気と実行力が必須です。
“アンチ”というだけあって、
老化という自然の摂理に拮抗しようとしているのですから。
ただ楽をしているだけでは、寄る年波には勝てないのです!!